saitama-ouen.netを開設してから2週間ほどたちました。さほど熱心な音楽ファンというわけではないのですが、「SRサイタマノラッパー」でヒップホップにはまってから、「いや~音楽ってほんとうにいいもんですよねぇ~」状態で、ヒップホップを中心に、これまで食わず嫌いで聴いてこなかったジャンルを、いろいろ聴いてます。そのなかで、北海道と岡山で、ビビッとくるミュージシャンを1グループとひとり見つけました。たまたま、どちらも自分の郷土に根をおろし活躍しているミュージシャンでした。
北海道では、札幌を本拠地に、東京はおろか世界に照準をあてたような凄いヒップホップデュオの「ブルーハーブ(THE BLUE HERB)」に打ちのめされました。ヒップホップというより、ラップで闘う現代詩人といったおもむきです。生と死、イデオロギー、辛らつな時代批評、アンチ東京といったテーマが、彼ら独特のグルーヴ感で強烈にメッセージされます。1900年代の後半にデビューしてから、アルバムはまだ3枚しか出ていません。ほかにシングル(マキシシングル)が何枚かあります。きわめて寡作で、南米の作家G・ガルシア=マルケスやボルヘス、バルガス=リョサなんかを連想してしまいます。そういえば、映画「未来世紀ブラジル」をモチーフにした「未来世紀日本」というのが、マキシシングルの「アンダーグラウンドVSアマチュア」に入っています。
右のアルバム写真は上から順に、
・初期作品「知恵の輪」「北風」のボーナスディスク付き1stアルバム「STILLING,STILL DREAMING」。道産子ラッパーのただものでない自負心と北斗の闘争心がくりだす、マシンガンのような言葉に、まず度肝をぬかれます。一方で、宮沢賢治をホーフツさせるリリシズムをまとった「北風」も、ゾクッときます。
・まん中は、2ndアルバム「SELL OUT SOUL」。詩的イリュージョンにみちた言葉で、音楽業界やヒップホップ、社会・経済の現状に対するアンチテーゼが、ソウルフルにライム(韻を踏むこと)される傑作(だと、わたしは思います)。
・下は、マキシシングルの「アンダーグラウンドVSアマチュア」。これも文句なしにおすすめです。その中の1曲「未来世紀日本」の出だしのフレーズが好きです。「自分の記憶が自分のものじゃないなら 存在なんてまるでただの映像みたいだ」(略)。たよりない自分の立ち位置を、記憶というキーワードから手探りしながら、未来、明日の世界を、クリティカルに予言的にうたった力作です。
最新作は、2007年にリリースされた「LIFE STORY」なんですが、いまお取り寄せ中で、残念ながらまだ聴いていません。
わたし的には、THE BLUE HERBに、詩の世界の芥川賞といわれる「H氏賞」(エイチししょう)をあげたいな、と思いました。その前に、サザンの桑田さんかもしれませんが。この賞は、日本現代詩人会が主催する、"新しいすぐれた現代詩の詩人"におくられる文学賞です。この10年間の受賞者の、じつに10人中7人は女性です。男性の詩人(もしくは、その資質のある人)は、いまや音楽や映画やゲームの世界に、いってるのかもしれません。想像にすぎませんが。
で、話を本題にもどして、もうひとりのビビッときたミュージシャン、それが現在岡山在住のシンガーソングライター「まきちゃんぐ」です。1stアルバム「知と性、毛布とセックス」(2008年12月3日発売/バップ)を聴いて、ブルースの巫女さんみたいだなと思いました。
まだ、おん年21才。ヒップホップではありません(念のため)。
「鋼(はがね)の心」、「ハニー」、「さなぎ」には、泣けました。彼女自身が、ソウルをはきだして、鳴いて血を吐くホトトギスみたいなんですね。まさに、ブルースです。くたくたに疲れて帰る深夜、クルマの中でひとりで聴くのがサイコーかもしれません。
音に、言葉にこもったソウルが、明日への元気と勇気をあたえてくれる!「いや~音楽ってほんとうにいいもんですよねぇ~」