衣がえの季節だが、関東では日中の気温の乱高下が続いていて、どんなカッコで外出するか悩ましい日々だ。政治もガラッと衣がえしたが、新閣僚たちの百家争鳴と、なにやら表にでない迷走もかいま見えて、視界不良のダッチロールになどならなければいいのだが・・・。
こんな気分のときにはスカッとした映画を観るに限るというわけで、近所のシネコンで「カムイ外伝」を、大好きな深谷シネマで「ハゲタカ」を観た。崔洋一監督は若い頃にきっと「カムイ伝」を読んでいただろうし、最近では「血と骨」で凄まじい人間ドラマを見せてくれたのでワクワクしながら劇場に足を運んだ。才気あふれるクドカンが、脚本(崔洋一共同脚本)というのも興味があった。結論から言うと、ワクワクは的中!とくに、松山ケンイチの「カムイ」がよかった。松山ケンイチは名前しか知らない俳優だった(「アカルイミライ」に出ていたそうだが印象は薄い)が、白土三平の造形した「カムイ」を、野生と孤独の翳りをにじませながら見事に演じていた気がする。拍手!
平日午後の上映は、観客の入りもまばらで、団塊世代のカップルと団塊ジュニア世代が大半だった。団塊ジュニア世代は多分、白土三平の「カムイ伝」の熱心な読者ではないだろうから、松山ケンイチか小雪さんのファンなのだろう。あるいは、失われた10年で「蟹工船」ブームに火がついた時のように"世の不条理"への思いに駆られ、心が動いてのことだろうか(てなこと、ないか)。いずれにせよ、わたし的には、松山ケンイチの「カムイ」をまた観てみたい。続編を大いに期待している。
「ハゲタカ」はNHKドラマ(全6話)の映画化だ。わりと好きな俳優の大森南朋が主演しているのと、グローバルな投資ファンドの暗躍をスリリングに描いているので、これも期待をしながら深谷シネマの最終回上映を観た。しかし映画はTVに比べると雑なつくりで、TVを観ていないとわからないような人物描写やストーリーが随所にみられ、内容的にイマイチだった。観る側にもリーマンショックを境にして、投資ファンドやTOBといったことに対する疑念やアンチがあるので、ストーリー底割れのしらけた気分が否めない。(ちなみに、TVドラマは2007年2月~3月放送)
大森南朋はTV同様、鷲津政彦をクールに演じていたが、昨年来の現実に起こった悲劇というより喜劇のような金融崩壊の方が、はるかに映画を凌駕していて、南朋さんには気の毒だった。