今年は元日の午前0時に初詣に行ったご利益が早くもあったのか、息子からブルース・スプリングスティーンの「LIVE IN DUBLIN」を"お年玉"にもらいました。これは以前、この鳩山日記で紹介した「WE SHALL OVERCOME~THE SEGER SESSIONS」の欧米ツアーにおけるダブリンでのライブDVDです。
「WE SHALL OVERCOME~THE SEGER SESSIONS」はピート・シーガーなどが歌ったアメリカのルーツ・ミュージックをカバーしたアルバムなのですが、いわゆるフォークソングではありません。フォークを基調に、ゴスペルやニューオリンズジャズ、アイリッシュ・パンクなど、さまざまな要素が絶妙にブレンドされて素晴らしい歌と演奏を聴かせてくれます。そしてこのライブ、ワシントン・ポストやイギリスのワード誌など、海外メディアで絶賛されたのだそうです。
ブルースの父親がアイルランド人であったことを思うと、ダブリンでのライブ(ツアー最終公演)というのは彼にとって特別な思い入れがあったはずですし、観客の反応、盛り上がりはすさまじいものでした。絶頂期のポーグス(アイリッシュ・パンク・バンド)のクラブでのライブをビデオで観たことがありますが、それに近い聴衆の熱狂を感じました。ポーグスの日本公演(確か1990年)を中野サンプラザで観たときには、VOCALのシェインがアル中みたいによれよれでちょいと失望したものでしたが・・・。
ブルースがこのアルバムで歌う世界は、奴隷制度、人種差別、公民権運動、貧困、干魃などで傷つき苦しむ社会的弱者がテーマですが、それぞれの歌は決して暗くもネガティブでもありません。そうした中にあっても未来への希望を失わず、勇気を出して前に進もうぜ、というポジティブな力と明るい響きにみちています。BORN TO RUNでブレイクし、タイム誌の表紙を飾った"反逆児"がアラカンになって到達した境地を、ダブリン・ライブでの彼の激しい動きの中で時折みせる柔和な表情にうかがい知ることができます。
去年は気分がおちこんだとき、The Blue Herb(平岸・札幌・北海道のヒップホップ・ユニット)にずいぶん励まされましたが、今年はブルース・スプリングスティーンの「LIVE IN DUBLIN」にお世話になりそうです。