この夏は、異常な猛暑を連日ニュースが取り上げていますが、皆さん暑気払いをどうしてますか?TOPページの「彩遊記」の写真は、越生町(埼玉県)の黒山三滝で滝に打たれて水行している人なんですが、全然修行僧という感じではなくて、5秒もするとぶるっとカラダを震わせて滝の下から出てきてしまい、お経(らしきもの)を唱えていました。水行の真似事をして般若心経を唱えるくらいなら、ボクにだって楽々できそうです。とはいえ、ヒートアイランドでクーラーのがんがん利いた部屋にいるより、水行で暑気払いしている方がずっと健康的だし、地球環境にもグッドであることには違いありませんが・・・。
で、ボクの場合。35度を超える猛暑日には、クーラーを弱めにかけて、アクエリアスか冷やした「どくだみ茶」(茶心MT製)を手元に置いて、ひっそりと軽めのサスペンスを読むのが、この夏のクールな習慣でした。フリーターの特権ともいえそうですが、その分、サマーリゾートでバカンスを楽しむといった余裕はないわけで。せめて、ココロのリゾートで暑気払いをしようということです。
乙一の「天帝妖狐」とか「夏と花火と私の死体」とかから読み始めたのですが、どーもちょっと軽すぎて、メンソールキャンディみたいであまり涼しくならない。そんな時、シネコンで映画「告白」を観ました。これもシネコンには暑気払いのつもりで出かけて、映画にはあまり期待はしていなかったのですが、これが期待を裏切ってとてもよかった。この数年間に観た日本映画では、「フラガール」、「ブタのいた教室」に次いでよかった。番外で、宮崎あおいの「少年メリケンサック」も面白かったなぁ。(次ぎに観たいのは「キャタピラー」なんですが、埼玉で観られるのはいつになるやら)
映画のストーリーはオフィシャルホームページでチェックしてくださいね。映画評もプロ、アマのブログでたくさん出てますが、おおむね好意的な評価です。
■映画「告白」公式サイト http://kokuhaku-shimasu.jp/index.html
愛するわが子を教え子に殺された教師役の松たか子、殺した側の少年Bの母親役の木村佳乃が火花を散らす熱演をしてました。この映画は、TVCM出身の中島哲也監督の作品なのですが(「嫌われ松子の一生」、「下妻物語」とかあります)、少女の殺人をめぐる母親(教師)、被疑者、家族、クラスメートの疑心暗鬼や、勘違い、スレ違い、絶望などのココロの動きが、薄皮をめくるように丹念に描かれていき、教室を舞台にした心理劇としてゾクゾクするような味わいがありました。
出会い頭に殺人を犯すということでは、乙一にも通じるところはあるんですが、心の闇の描き方がまったく違う。で、キーワードを「心の闇」として読書方針をあらため、前に読んだことのある「砂の器」「ゼロの焦点」「黒革の手帖」などの巨匠・松本清張を読むことにしました。
自分的には、これは正解でした。初期の短編から読み始めましたが、「顔」、「白い闇」、「張り込み」、「地方紙を買う女」、「内海の輪」、「疑惑」、「黒地の絵」・・・どれも超おもしろい!戦後の世相や風俗がリアルに描かれ、その中で殺人へと追い込まれてゆく犯人の動機や心の動き、そして何より狂気を思わせるトリックの発明など、暑さを忘れさせてくれます。さらに、戦後の昭和史のお勉強にもなるし、なにより人間のどーしようもない愚かさや、せつなさ、哀しみが伝わってきて、「人間とはなんぞや?」を考えるキッカケにもなりそうです。
いまボクが読んでいるのは「日本の黒い霧」。終戦後、日本で起こった怪事件をあつかった、かなりヤバイ本です。