埼玉県の比企郡は、埼玉のほぼ中央に位置しています。下の地図のグリーンの部分です。なだらかな優しい佇まいの比企丘陵を囲み、あるいはそれに沿って、7つの町がひろがっています。東から、川島町、吉見町、鳩山町、滑川町、嵐山町、ときがわ町、小川町です。
東武東上線の急行で、池袋から小川町まで1時間とちょっとの距離です。東京から、そんなに近くにありながら、どこか懐かしさを感じる里山や美しい雑木林、国営の武蔵丘陵森林公園、豊かな収穫をもたらす田園風景がひろがっています。ゴルフ通のあいだでは、いいゴルフ場がたくさんあることで有名かもしれません。そんな武蔵野の面影をたっぷり残す比企の町々を、そして自然を、気まぐれカメラで追ってみました。気まぐれですから、不定期に開館します。ときどき、のぞいてみてください。
■比企郡データ:人口141,936人(2009.3推計人口)、面積281.84km2、名前の由来は鎌倉幕府の御家人・比企一族が一帯を統治していたことによります。なお、隣接する東松山市、秩父郡東秩父村を加えて「比企広域市町村圏組合」を構成しています。
比企の丘はいま、花ざかりの森です。そういえば、三島由紀夫の原点ともいえるような小説に「花ざかりの森」というのがありました。彼の美意識にある「花」を、退屈でよく理解できなかった思い出しかありませんが。まぁ、いまの季節にふさわしいタイトルですし、短編ですから、ご興味のある方はお読みになってみてはいかがでしょう。その点、東松山市の「ぼたん園」の「花」は、よくわかります。4月末からGWにかけて、じつに306種、5,800株のぼたんの花が咲きほこり、ゴージャスにわたしたちの目を楽しませてくれます。「花王」とも「花神」ともいわれる「ぼたん」は、東松山の「市の花」として、市民からはもちろん市外の観光客からも愛され続けています。
ぼたんの原産は、中国北西部。古くから根を薬草として使われており、隋の時代(589年~618年)あたりから園芸植物として栽培されるようになったそうです。日本へは奈良時代あたりに遣唐使によって持ちこまれ、最初は薬草としてお寺などで栽培されていました。平安時代になって観賞用として栽培されはじめ、江戸時代に品種も多くなり一般にひろがっていったそうです。美人の形容に、「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」というのがありますが、これはまだイキなのでしょうか、それとも死語なのでしょうか。そもそも、こんなコトバ、いまの若い人たちは聞いたことないかぁ。
306種類のぼたんは、それぞれに名前がつけられており、赤、ピンク、白、紫などの色に微妙な違いがあります。また、よく見ると、花びらのカタチも少しずつ違っています。交配などによる品種改良で、新しい「ぼたん」が誕生し、星の発見者のように、つくった人が自分の好きな名前をつけるわけです。会場には、全306種類のぼたんのパネルが設置されていましたが、各ぼたんがどのように交配されて誕生したのか、その誕生秘話や自宅での育て方などを教えてくれる、"ぼたんコンシェルジュ"とか"ぼたんソムリエ"みたいな人がいると、もっとぼたんを楽しめるのにと思った次第。
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